PH-01は、複雑なメカニックと大胆なデザインをDNAとして持ちながらフランスブランドらしいクリエイティビティにスポットライトを当てることで登場した記念すべきファーストモデルです。他に類をみない独特で複雑なデザインのケースは、まるで円形劇場を彷彿とさせるダイヤルが最大の特徴です。そのため内部の機構を通常の時計と比べるとより高い位置に配置する必要があり、テンプやガンギ車などムーブメントの一部をあえてダイヤル上に配置し動きをダイレクトにみせることで、他の時計には真似することができないエモーショナルな演出を行っています。

PH-01は世界中のレーシングマニアにむけた究極のフレンチウォッチを目指しています。スーパーカーのように複雑で美しいフォルムをまとい、ドライバーには独特ながらも正確な視認性を提供するというコンセプトを持つ現代の「ドライバーズウォッチ」です。PH-01ではドライバーが運転に集中しながら目を離さずに時間を確認するための方法として、ダイアルを傾けることでドライビング中にポジションを崩さずに確認できるデザインにしています。また、ベゼルのフォルムはFERRARI 365 GTB Panther Shooting Brakeなどのリアデザインや、MUSTANG FASTBACKのような独特なフォルムを想起させ持つ人の気持をも高揚させてくれます。このようにして高級機械式時計ムーブメントと、流線型のフォルムが特徴的なカーデザインが融合することで、他ブランドにはないまるで芸術作品のような存在感をまとったドライバーズウォッチが誕生しました。

マリンクロノメーターのムーブメントは、平面ではなく多層構造となっています。キャリバー PH-010 も同様に、第１層には2つの香箱と輪列、そして巻き上げシステムが配置され、2つのレトログラード機構は第２層にあります。そして、第３層には脱進機支えが入ります。マリンクロノメーターのように、この設計構造は空間を最適化し、特にエネルギー源（香箱）と調速機構というどちらも時計の精度に重要な装置に使えるスペースを増やすことが出来ます。しかし、キャリバー PH-010 は他の特徴を備えています。横から見ると半ピラミッド形に見えるムーブメントは、ケースの傾きにフィットし一体化します。このようにキャリバー PH-010 は、古き良き時代の時計作りを讃え、斬新な技術的解決策を複数搭載しています。そして受けの形から第3層を支える柱の使用まで、あらゆるディテールに込められた配慮と美しいものへの愛情も感じ取られます。

PH-01は、斬新でダイレクトな時刻表示にすることで差別化を行ない、通常360度を駆け巡る表示を100度の範囲に集中させて、人間の目が即座に情報を読み取れるようになっています。上部のインデックスで“時”を100度の範囲で表示し、下部のインデックスでは85度を使って“分”を表わす、2種類のインデックスで情報を伝えます。この2段階表示により、いかなる場合でも、時針と分針が隠れたり、時刻の読み取りの邪魔となることはありません。これら2種類の表示はレトログラード式で、スタイルの統一感を保っています。時間の表示は、レトログラード式であるというだけでなく、ジャンピング式でもあります。このダブルコンプリケーションのおかげで、容易に時刻の読み取りができます。時間を表わす針は、時間ごとに瞬時に連動してジャンプするので決して時刻を読み間違えることはありません。